これ、何かわかりますか?

とあるクリーニング店のご家族様に使用をしていない機械の撤去作業をご依頼頂きました

この機械が何のための機械かすぐにわかる方はクリーニング業界の「生き字引」、または最近の言い方ですと「レジェンド」といえると思います

正解は自家ドライ時代の石油ドライクリーニング機です

自家ドライという言葉ですが、かつて昭和30年代はクリーニング店内にドライクリーニングができる機械があることはまだ希少で、ほとんどのクリーニング店はドライクリーニングを専門の委託工場に依頼していました。ドライクリーニングの専門請負業者はホールセール(卸業)という通称で呼ばれていていました。現在でもホールセール業者は存在していて、今ではドライクリーニングだけではなく一般のクリーニング店で処理ができない布団やじゅうたん、和服や革製品などを請負う業務にその業務は変化しています

現代では普通にクリーニング店内に設置されている自家ドライクリーニング機械設備が、一般のクリーニング店に普及し始めた頃は昭和30~40年代ですので、画像の機械もその頃のものと思われます

すなわち、洗濯博物館に寄贈したいと思うほどの60年以上経過したの貴重な現存機械なのです

その時代は町工場で、ほぼ手作りで作られておりましたので、高度成長にあわせてメーカーも数多くありました。また、戦後の職人の技術はとても高いものでしたので60年以上が経過しても腐食することも無くネジ部や歯車も不通に稼働しますので当時の物づくりの質の高さには関心する次第です

今ではほとんど見かけることが無くなった「自家ドライ機」に会えた1日でした