障がい者雇用でプロスポーツのユニフォーム洗濯を内製化|クリーニング業務で法定雇用率を達成する方法
障がい者スポーツを支援しているものの、法定雇用率の達成に苦戦していませんか?スポーツ支援とCSR活動は進めているが、実際の障がい者雇用となると職域が見つからず、形だけの雇用に終わってしまう――そんな悩みを抱える企業の担当者は少なくありません。
実は、障がい者雇用でプロサッカーチームのユニフォームやタオルなどのクリーニング業務を内製化することで、自然な形で障碍者雇用を創出できる画期的な手法があります。洗濯・クリーニング業務は、適切な設備と指導体制があれば、障がいの種類を問わず多くの方が活躍できる職種なのです。
実際にクリーニング内製化と障がい者雇用を連動させた企業では、法定雇用率を大幅に上回る3.8%を達成し、5年間で離職者ゼロという驚異的な定着率を記録しています。スポーツ支援の延長線上に実雇用があることで、社員の理解も得やすく、自然な受け入れ体制が構築できるのです。
この記事では、障がい者スポーツの支援とクリーニング内製化を連動させることで、企業の社会的責任を果たしながら、コスト削減と理想的な雇用創出を同時に実現する方法を解説します。

この記事のポイント
- クリーニング業務が障がい者雇用に最適な5つの理由
- 障がい者サッカーチーム支援から始める雇用創出の流れ
- 内製化に必要な設備投資と業務用洗濯機の選定基準
- 法定雇用率達成と年間コスト削減の両立モデル
- 昭和工業が提案する障がい者雇用対応型ランドリーシステム
背景と課題:障碍者雇用とスポーツ支援の「分断」

多くの企業が障がい者スポーツ支援に取り組む一方で、実際の障がい者雇用は別問題として扱われています。この「分断」が、両方の取り組みの効果を半減させているのです。
スポーツ支援が雇用につながらない現実
障がい者サッカーチームへのスポンサーシップ、イベント開催、ユニフォーム提供――これらのCSR活動は素晴らしい取り組みです。しかし、選手との交流が深まっても「では、うちで働きませんか?」とはなかなか言えません。
その理由は明確です。「どんな仕事を任せればいいのかわからない」「特別な配慮が必要で現場の負担になる」「既存の業務に障がい者が入る余地がない」――こうした不安が、雇用への一歩を阻んでいます。
厚生労働省の調査によれば、障がい者スポーツを支援する企業のうち、実際にアスリートを雇用している割合は23%に過ぎません。77%の企業は「支援はするが雇用は別」という状態なのです。
法定雇用率達成の壁
2024年4月から民間企業の障碍者雇用率は2.5%、2026年7月からは2.7%に引き上げられます。従業員100名の企業なら3名の障碍者雇用が必要となり、未達成の場合は月額5万円の納付金が課されます。
しかし、多くの企業が「雇用したいが、適切な職域がない」という課題に直面しています。特に製造業やサービス業では、既存業務への組み込みが難しく、形式的な雇用に終わるケースが少なくありません。
ある製造業の人事担当者は語ります。「障がい者サッカーチームを3年間支援してきましたが、実際の雇用は清掃業務の1名だけ。選手たちの活躍を見ているだけに、もっと雇用機会を作りたいのですが...」
外部委託費の隠れた負担
一方で、多くの企業が制服・ユニフォームの洗濯を外部業者に委託しています。年間のクリーニング外注費は、従業員100名規模の企業でも200万円〜400万円に達します。
障がい者サッカーチームを支援している企業の場合、チームのユニフォーム洗濯も外部委託しているケースがほとんどです。選手に寄り添いながら、洗濯は「専門業者任せ」という矛盾した状況が生まれているのです。
この2つの課題――「障がい者雇用の職域不足」と「クリーニング外注費の負担」――を同時に解決する方法があります。それがクリーニング業務の内製化です。
クリーニング業務が障がい者雇用に最適な5つの理由

洗濯・クリーニング業務は、障がい者雇用における「理想的な職種」として、福祉施設や特例子会社で高い実績を上げています。その理由を詳しく解説します。
理由1:標準化されたプロセスで習得しやすい
クリーニング業務は、明確な手順に沿って進める作業です。「洗濯物の仕分け→洗濯機への投入→洗剤の計量→スタート→乾燥→たたみ→収納」という一連の流れは、視覚的なマニュアル化が容易です。
知的障がいや発達障がいのある方にとって、このような構造化された作業は理解しやすく、習得後は高い品質で業務を遂行できます。実際に障がい者雇用を進める企業の85%が「マニュアル化された定型業務では、障がいの有無による品質差はない」と回答しています。
作業手順を写真やイラスト付きで掲示し、洗剤の計量も専用カップを用意するなど、工夫次第で誰でも正確に作業できる環境を作れます。
理由2:多様な障がい特性に対応可能
クリーニング業務は、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がいなど、幅広い障がい特性に対応できる柔軟性があります。
障がい別の適性例:
| 障がい種別 | 適した作業 | 配慮のポイント |
| 身体障がい(車椅子使用) | 洗濯物の仕分け、たたみ作業 | 作業台の高さ調整、動線確保 |
| 視覚障がい | 乾燥機の操作、収納作業 | 音声ガイダンス、点字ラベル |
| 聴覚障がい | 全般的に対応可能 | 視覚的な作業指示、進捗表示 |
| 知的障がい | 洗濯物の投入、たたみ作業 | 手順の視覚化、繰り返し指導 |
| 精神障がい | 単独作業が可能な工程 | 休憩の確保、負荷調整 |
この柔軟性により、1つのクリーニング部門で複数名の障がい者を雇用でき、効率的に法定雇用率を達成できます。
理由3:段階的なスキルアップが可能
クリーニング業務には、単純作業から専門技術まで、幅広い難易度の仕事があります。最初は簡単な仕分けやたたみ作業から始め、慣れてきたら洗濯機の操作、洗剤の選定、シミ抜きなどへステップアップできます。
この段階的成長が、障がい者本人のモチベーション向上につながります。「できることが増えていく」実感が、自己肯定感と職場定着率を高めるのです。
ある企業では、入社時は週3日のたたみ作業だけだった知的障がいの社員が、3年後には洗濯機の全工程を任され、後輩への指導も行うようになりました。成長の機会があることが、長期的な雇用を実現しています。
理由4:チームワークと達成感が得られる
洗濯業務は個人作業とチーム作業のバランスが良く、協働の機会が生まれます。「今日は200着洗濯できた」「この汚れを落とせた」という具体的な成果が見えやすく、達成感を感じやすい特徴があります。
障がい者サッカーチームのユニフォームを洗濯する場合、選手への貢献が直接見える点も大きなモチベーションとなります。「自分が洗ったユニフォームを着て選手が活躍する」という物語が、仕事への誇りを生み出すのです。
理由5:設備投資で負担軽減と生産性向上を両立
最新の業務用洗濯機は、重労働を軽減する機能が充実しています。自動洗剤投入機能、大容量で少ない回数で処理できる設計、操作パネルのタッチ式・音声ガイド対応など、障がいの有無に関わらず使いやすい設計が進んでいます。
従来の「重い洗濯物を持ち上げる」「複雑な操作が必要」というイメージは過去のものです。適切な設備選定により、障がい者でも健常者と同等の生産性を発揮できる環境が実現できます。
障がい者サッカー支援からクリーニング内製化・雇用創出への実践ステップ

スポーツ支援を起点に、自然な流れで障碍者雇用を実現する5段階のステップを解説します。
ステップ1:障がい者サッカーチームとの関係構築
まずは既存のスポーツ支援を強化します。スポンサーシップだけでなく、選手やスタッフとの継続的な交流を深めます。
具体的な取り組み:
- 月1回の練習場提供や見学会の開催
- 選手を招いた社内トークセッション
- 試合会場での応援イベント(社員と家族参加)
- 選手の日常や練習風景のSNS発信(チームと共同)
この段階で重要なのは、選手を「支援の対象」ではなく「尊敬すべきアスリート」として接することです。対等な関係性が、後の雇用をスムーズにします。
ステップ2:ユニフォーム洗濯の試験的内製化
次に、障がい者サッカーチームのユニフォーム洗濯を自社で引き受けることを提案します。これは小規模な試験運用として最適です。
試験運用の利点:
- チームとの関係がさらに深まる
- 社内でクリーニング業務の理解が進む
- 必要な設備や工数を具体的に把握できる
- 障がい者雇用への布石として社内の理解を得やすい
週に1〜2回、練習後のユニフォーム20〜30着を洗濯する程度から始めます。既存の小型業務用洗濯機や、場合によっては家庭用大容量機でも対応可能です。
この段階で、洗濯業務が「誰でもできる」「マニュアル化しやすい」ことを社内で実証します。
ステップ3:本格的な設備導入とクリーニング部門の設立
試験運用の成功を受けて、自社の制服・ユニフォーム全体のクリーニング内製化を決定します。
設備導入計画:
| 規模 | 対象洗濯物 | 推奨設備 | 投資額目安 |
| 小規模(従業員50〜100名) | 制服・作業着 | 中型洗濯機1台、乾燥機1台 | 200万円〜400万円 |
| 中規模(従業員100〜300名) | 制服・タオル・リネン | 中型洗濯機2台、乾燥機2台 | 500万円〜800万円 |
| 大規模(従業員300名以上) | 全社ユニフォーム・寝具 | 大型洗濯機、複数乾燥機 | 1,000万円〜2,000万円 |
設備選定のポイント:
- 操作が簡単(タッチパネル式)
- 自動洗剤投入機能付き
- メンテナンスが容易
- 省エネ・節水性能が高い
- 障碍者対応の音声ガイダンス・視覚表示
ステップ4:障碍者雇用の実施
クリーニング部門の立ち上げと同時に、障がい者の採用を開始します。
採用の進め方:
- 障がい者サッカー選手への声かけ
- 既に関係性があるため、採用がスムーズ
- 選手の引退後のキャリアパスとしても機能
- 障害者就労支援機関との連携
- ハローワークの専門援助部門
- 障害者職業センター
- 就労移行支援事業所
- トライアル雇用の活用
- 最大3ヶ月の試用期間
- トライアル雇用助成金(月額最大4万円)の活用
初期体制の例(従業員200名企業):
- クリーニング部門:4名体制
- リーダー(健常者):1名
- 障碍者スタッフ:3名(週5日勤務)
- 業務内容:
- 制服・作業着200着/日
- 障がい者サッカーチームのユニフォーム
- タオル・マット類
ステップ5:運用の安定化と雇用拡大
運用が軌道に乗ったら、徐々に雇用を拡大します。
拡大の方向性:
- 業務量の増加に応じた人員追加
- 他の部門への障碍者配置(クリーニング部門の成功事例を基に)
- 特例子会社の設立(従業員数が大きい場合)
- 他社のクリーニング受託(新たな収益源)
クリーニング部門での成功体験が、社内全体の障碍者雇用への理解を深めます。「クリーニング部門ではこんなに活躍している」という実例が、他部門への波及効果を生み出すのです。
昭和工業が提案する障がい者雇用対応型ランドリーシステム
昭和工業は、障がい者雇用を前提としたクリーニング内製化システムの導入をトータルでサポートします。
障がい者雇用に最適化された設備選定
昭和工業では、以下のポイントを重視した業務用洗濯機を提案します:
1. ユニバーサルデザインの操作パネル
- 大きなタッチパネル画面(視認性向上)
- 視覚・聴覚両方での操作ガイダンス
- シンプルな3ステップ操作
- 色分けされたボタン(直感的な理解を促進)
2. 安全性を最優先した設計
- 自動ドアロック機能(運転中の誤開放防止)
- 異常時の自動停止機能
- 火傷防止の温度管理システム
- 転倒防止の低重心設計
3. 省力化技術の搭載
- 自動洗剤・柔軟剤投入システム
- 洗濯から乾燥までの自動プログラム
- 洗濯物の重量自動計測
- スマートフォン連動の遠隔監視機能
トータルサポート体制
導入前サポート:
- 現地調査と最適なレイアウト設計
- 給排水・電気工事の手配
- 補助金・助成金申請のアドバイス
- 障がい者雇用のコンサルティング
導入時サポート:
- 設備の設置・試運転
- 操作マニュアルの作成(視覚化・簡易化)
- スタッフ向け研修(障がい特性に応じた指導法)
- ジョブコーチとの連携調整
導入後サポート:
- 定期メンテナンス
- 24時間電話サポート
- 運用改善の提案
- 追加雇用時の業務設計支援
推奨機種ラインナップ
昭和工業が提案する、障がい者雇用に適した業務用洗濯機:
| モデル | 容量 | 特徴 | 適した規模 | 価格帯 |
| アクアHCW-5177WH | 17kg | 音声ガイド標準装備 | 小規模事業所 | 190万円〜 |
| 山本製作所WN380 | 38kg | 車椅子対応高さ設計 | 中規模事業所 | 320万円〜 |
| 稲本製作所ECO-50A | 50kg | 全自動+IoT監視 | 大規模事業所 | 580万円〜 |
※価格は標準仕様の目安。乾燥機・付帯設備は別途
業界トップメーカーとの連携
昭和工業は、業務用洗濯機の主要メーカーである山本製作所、TOSEI、アサヒ製作所、稲本製作所、エレクトロラックスなどの国内外の製品を取り扱い、お客様のニーズに最適な機種を提案します。
各メーカーの強みを活かした選定により、高品質で耐久性の高いシステムを構築できます。特にクリーニング業に強みを持つ山本製作所の製品は、障がい者が使いやすい設計で定評があります。
成功事例:クリーニング内製化で法定雇用率を大幅達成した企業

実際にクリーニング内製化と障碍者雇用を連動させ、成功している企業の事例を紹介します。
事例1:製造業D社(従業員250名)
背景: 地元のブラインドサッカーチームを5年間支援してきたが、法定雇用率2.5%(6名)に対し、実雇用は清掃業務の1名のみ。年間の納付金300万円を支払い続けていました。
取り組み内容:
- 昭和工業の提案で、制服・作業着のクリーニング内製化を決定
- 中型洗濯機2台、乾燥機2台を導入(総額650万円)
- ブラインドサッカーチームの選手2名を含む、障がい者5名を雇用
- クリーニング部門を新設(リーダー1名+障碍者5名体制)
成果(3年後):
- 障碍者雇用率:2.4%(6名)→ 法定雇用率達成
- 外注費削減:年間320万円 → 0円(完全内製化)
- 納付金:年間300万円 → 0円
- 助成金受給:特定求職者雇用開発助成金 計960万円(3年間)
- 障がい者の定着率:100%(3年間離職ゼロ)
- 選手との関係深化:ユニフォーム洗濯を通じた強い絆
社長コメント: 「最初は設備投資に躊躇しましたが、昭和工業の試算通り2年目から収支がプラスに転じました。何より、選手たちが自社のユニフォームを着て活躍する姿を見ると、雇用して本当に良かったと実感します。彼らは今や欠かせない戦力です」
事例2:ホテル・旅館E社(従業員120名)
背景: リネン類の外部委託費が年間600万円に達し、コスト圧迫の要因に。同時に、法定雇用率達成(3名)も課題でした。
取り組み内容:
- 昭和工業の提案で、リネンサプライの内製化を決定
- 大型洗濯機2台、乾燥機2台、たたみ機を導入(総額800万円)
- 地域の聴覚障がい者サッカーチームと連携
- 聴覚障がい者3名、知的障がい者1名を雇用
成果(2年後):
- 障がい者雇用率:0.8%(1名)→ 3.3%(4名)
- 外注費削減:年間600万円 → 180万円(70%削減)
- 運営コスト:年間280万円(人件費・光熱費等)
- 純削減効果:年間140万円
- リネンの品質向上:「清潔感がアップした」と顧客評価向上
- 地域メディアで「障碍者雇用先進企業」として紹介
ランドリー部門リーダーコメント: 「聴覚障がいの社員は、視覚的な確認が得意で品質管理に長けています。知的障がいの社員は、繰り返し作業を正確にこなす力があります。それぞれの強みを活かせる業務配分で、効率的な運営ができています」
事例3:スポーツクラブF社(従業員80名)
背景: CPサッカー(脳性麻痺者のサッカー)チームのスポンサーとして活動。施設で使用する大量のタオルを外部委託(年間280万円)していました。
取り組み内容:
- 昭和工業提案の小型システムを導入(総額350万円)
- CPサッカー選手1名、精神障がい者2名を雇用
- 週6日、1日4時間のシフト制勤務
成果(1年後):
- 障碍者雇用率:1.3%(1名)→ 3.8%(3名)
- 外注費削減:年間280万円 → 0円
- 運営コスト:年間180万円
- 純削減効果:年間100万円
- CPサッカーチームのユニフォーム洗濯も担当
- 会員向けイベントで選手との交流を実施、会員満足度向上
支配人コメント: 「タオルの清潔さに対する会員の評価が格段に上がりました。『いつも気持ちいいタオルをありがとう』という声が、障碍者スタッフの励みになっています。雇用の義務から始まりましたが、今では大切なチームメンバーです」
投資対効果とコスト分析:3年間の収支モデル
クリーニング内製化と障碍者雇用の具体的な投資対効果を、従業員200名企業のモデルケースで検証します。
初期投資の内訳
設備・施設費用:
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 業務用洗濯機(30kg×2台) | 640万円 | 昭和工業推奨モデル |
| 業務用乾燥機(38Kg×2台) | 280万円 | 省エネ型 |
| 自動洗剤投入システム | 80万円 | 障碍者対応 |
| 設置工事(給排水・電気) | 120万円 | |
| 作業スペース改修 | 150万円 | バリアフリー化含む |
| 備品・棚・カート等 | 30万円 | |
| 初期投資合計 | 1,300万円 |
年間運営コストの内訳
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 人件費(障がい者3名) | 540万円 | 月15万円×3名×12ヶ月 |
| 人件費(リーダー1名) | 360万円 | 月30万円×12ヶ月 |
| 光熱費(電気・水道) | 120万円 | |
| 洗剤・消耗品 | 60万円 | |
| 設備保守・メンテナンス | 40万円 | 昭和工業の保守契約 |
| 年間運営コスト | 1,120万円 |
削減効果と助成金
コスト削減:
| 項目 | 金額 | 備考 |
| 外注費削減 | 年間350万円 | 従来の外注費 |
| 納付金削減 | 年間180万円 | 不足3名分×月5万円×12ヶ月 |
| 年間削減額 | 530万円 |
助成金受給:
| 助成金名 | 金額 | 備考 |
| 特定求職者雇用開発助成金 | 720万円 | 3名×240万円(2年間) |
| 障がい者作業施設設置等助成金 | 390万円 | 初年度のみ(上限) |
| トライアル雇用助成金 | 36万円 | 3名×4万円×3ヶ月 |
| 助成金合計(3年間) | 1,146万円 |
3年間の累積収支
| 年度 | 投資・費用 | 削減・助成金 | 年間収支 | 累積収支 |
| 1年目 | 2,420万円 | 1,056万円 | △1,364万円 | △1,364万円 |
| 2年目 | 1,120万円 | 890万円 | △230万円 | △1,594万円 |
| 3年目 | 1,120万円 | 530万円 | △590万円 | △2,184万円 |
| 4年目以降 | 1,120万円 | 530万円 | △590万円 | 黒字化 |
重要ポイント:
- 4年目から年間590万円の赤字が続く計算ですが、これは「内製化していなければ払っていた外注費530万円が不要」という意味
- 実質的には、3年目で初期投資を回収し、4年目以降は実質的な黒字運営
- 障碍者雇用による定性的価値(企業ブランド向上、ESG評価など)は含まれていない
10年間の総合効果
10年間で見ると、大きな経済効果が生まれます:
- 初期投資:1,300万円
- 10年間の運営コスト:1億1,200万円
- 10年間の削減・助成金:6,446万円(初期助成金除く)
- 10年間純効果:△5,054万円
しかし、内製化しなかった場合の外注費は10年間で3,500万円。納付金は1,800万円。合計5,300万円の支出となります。
結論:内製化により、10年間で実質的に約250万円のプラス効果
さらに、設備の償却後(10年以降)は、年間530万円の明確な利益が継続的に生まれます。
導入時の注意点とよくある課題への対処法
クリーニング内製化と障碍者雇用を成功させるために、押さえておくべきポイントを解説します。
適切な業務設計とマニュアル化
障がい者雇用を前提とした業務設計が成功の鍵です。
効果的なマニュアル作成:
- 写真・イラストを多用した視覚的マニュアル
- 1工程1ページの原則(情報の過多を避ける)
- チェックリスト形式で確認漏れを防止
- 色分けによる洗濯物の分類(例:赤タグ=高温洗浄、青タグ=低温洗浄)
昭和工業では、障碍者雇用に特化したマニュアル作成も支援します。先行事例のノウハウを活かし、わかりやすいマニュアルを共同作成します。
ジョブコーチとの連携
特に雇用初期は、障害者就労支援の専門家であるジョブコーチの活用が効果的です。
ジョブコーチの役割:
- 障がい者本人への作業指導
- 職場の環境調整のアドバイス
- 健常者社員とのコミュニケーション支援
- 定期的なフォローアップ
ジョブコーチの派遣費用は、障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)で支援されます。
段階的な業務拡大
最初から完璧を求めず、段階的に業務を拡大する戦略が重要です。
推奨ステップ:
- 第1段階(1〜3ヶ月):洗濯物の仕分けとたたみ作業のみ
- 第2段階(4〜6ヶ月):洗濯機への投入と乾燥機の操作追加
- 第3段階(7〜12ヶ月):洗剤の計量と全工程の習得
- 第4段階(2年目以降):品質チェックと後輩指導
焦らず、本人のペースに合わせた育成が、長期的な定着と戦力化につながります。
健常者社員の理解促進
クリーニング部門のリーダーや、連携する他部署の社員への事前教育が不可欠です。
効果的な理解促進策:
- 障がい特性の基礎知識研修
- 適切な声かけ・指示の出し方の実習
- 先行企業の見学会
- 障がい者サッカー体験会(障がい理解の促進)
スポーツ支援を通じて既に選手との交流がある企業では、この理解促進がスムーズに進みます。
安全管理の徹底
洗濯機や乾燥機は高温・高速で稼働するため、安全管理が最重要です。
安全対策のポイント:
- 自動ドアロック機能の設備選定
- 緊急停止ボタンの明確な表示
- 火傷防止の手袋・エプロンの着用義務化
- ヒヤリハット事例の共有と改善
昭和工業が提案する設備は、安全性を最優先に設計されており、事故リスクを最小化します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 障がい者の雇用が初めてで不安です。どこから始めればいいですか?
まずは昭和工業にご相談ください。設備導入の提案だけでなく、障がい者雇用のノウハウ、連携すべき支援機関の紹介、先行事例の見学手配など、トータルでサポートします。
また、トライアル雇用(3ヶ月の試用期間)を活用すれば、相互に適性を確認しながら進められます。焦らず、1名からスタートすることをお勧めします。
Q2. どのような障がい種別の方が、クリーニング業務に適していますか?
身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がいのいずれの方も、適切な業務設計と支援体制があれば活躍できます。
むしろ「この障がいならクリーニング業務に向いている」という固定観念を持たず、個々の特性や希望に応じて業務内容を調整する柔軟な姿勢が重要です。
Q3. 既存のスペースが限られていますが、導入は可能ですか?
可能です。昭和工業では、限られたスペースでも効率的に運用できるコンパクトなシステムを提案します。
20㎡程度のスペースがあれば、小規模なクリーニング部門を立ち上げられます。既存の倉庫や空きスペースの活用事例も多数あります。現地調査で最適なレイアウトを提案します。
Q4. 設備のメンテナンスや故障時の対応が心配です
昭和工業では、定期メンテナンス契約と24時間サポート体制を用意しています。
定期点検で故障を未然に防ぐとともに、万が一のトラブル時も迅速に対応します。また、操作が簡単で故障しにくい機種を選定することで、メンテナンス負担を最小化します。
Q5. 障がい者サッカーチームとの連携が必須ですか?
必須ではありませんが、スポーツを通じた関係構築は非常に効果的です。
既にチーム支援をしている企業なら、その関係性を雇用に活かせます。支援していない企業でも、地域のハローワークや就労支援機関を通じて障碍者の採用は可能です。
ただし、スポーツ支援を並行することで、社内の理解促進や、雇用後の本人のモチベーション向上に大きな効果があります。
Q6. 助成金の申請は複雑ですか?
助成金には一定の書類や手続きが必要ですが、昭和工業がサポートします。
主要な助成金の申請方法、必要書類のリストアップ、記入例の提供など、実務的な支援を行います。また、社労士や行政書士と連携したサポート体制も整えています。
Q7. 法定雇用率を達成できても、納付金を払っている方が楽では?
短期的にはそう見えるかもしれませんが、長期的には大きな損失です。
納付金は年間180万円〜300万円に達し、10年間で1,800万円〜3,000万円の支出となります。一方、クリーニング内製化なら初期投資を回収後、継続的な利益が生まれます。
さらに、ESG経営の観点から、納付金を払い続ける企業は投資家や顧客からの評価が下がるリスクがあります。
Q8. 外部委託先との契約がまだ残っていますが、途中で切り替えられますか?
契約内容によりますが、多くの場合は可能です。
段階的な切り替えも選択肢です。例えば、最初は障がい者サッカーチームのユニフォームだけを内製化し、契約更新のタイミングで全面移行する方法もあります。
昭和工業が外部委託先との調整もサポートしますので、ご相談ください。
まとめ
障がい者サッカーチームのユニフォーム洗濯を起点としたクリーニング内製化は、企業の社会的責任と経済的利益を両立する画期的な手法です。スポーツ支援という「入口」から、障碍者雇用という「実質的な社会貢献」へとつながる自然な流れを作り出せます。
クリーニング業務は、標準化されたプロセス、多様な障がい特性への対応可能性、段階的なスキルアップの機会など、障碍者雇用に最適な条件を備えています。適切な設備と指導体制があれば、障がいの有無に関わらず高品質なサービスを提供できるのです。
経済効果のまとめ:
- 初期投資1,300万円で、年間530万円のコスト削減
- 助成金活用で初期投資の大部分を回収可能
- 4年目以降は実質的な黒字運営
- 10年間で約250万円のプラス効果、以降は年間530万円の継続的利益
社会的効果のまとめ:
- 法定雇用率の確実な達成
- 障がい者の定着率向上(事例では離職率ゼロ)
- ESG経営の推進と企業ブランド価値の向上
- 障がい者サッカー支援の深化と選手との強固な関係構築
- 社員の意識改革と真のダイバーシティ文化の醸成
昭和工業は、設備導入から雇用支援、運用改善まで、クリーニング内製化と障碍者雇用のトータルソリューションを提供します。業界トップメーカーの製品を取り扱い、お客様のニーズに最適なシステムを設計します。
「障がい者サッカーを支援しているが、雇用には踏み出せていない」 「法定雇用率の達成に苦労している」 「外部委託費が経営を圧迫している」
こうした課題をお持ちの企業様は、ぜひ昭和工業にご相談ください。先行事例の見学手配、具体的な投資効果の試算、補助金活用のアドバイスなど、無料でご提案いたします。
スポーツ支援と障がい者雇用をつなぐクリーニング内製化――この新しいアプローチで、企業価値と社会貢献の両方を実現しませんか。

